
まっすぐ見つめるその潤んだ瞳は、いつもこう言っているように感じます。
考えてみてください。鳥は大空を自由に飛びまわり、鹿や猪は捕獲されても里山に帰って生きるのびることができます。
一方、犬達はどうでしょう?
野生には戻れず、街を単独で歩くだけで違法ですから、即捕獲され殺処分となります。
飼い主に捨てられたりしたら、もうどこにも行く場所はないのです。飼育放棄、それは死刑宣告を意味します。
そんな動物が他にいるでしょうか?
人を愛し、人に愛され、人間社会で共存するしかない命なのです。
今回「サークル・マム」の西泉さんにご協力いただき、サークル・マムの献身的な活動を紹介しながら、犬猫を取り巻く実情をお伝えします。
この事実と、それに目をそむけず活動している人達を知っていただき、一人でも多くの心ある方々が支援の手を差しのべていただけることを祈ります。

「一匹の犬が氷の湖に転落し、レスキュー隊により救助され無事生還!」こんなニュースが全国で美談として放送される一方で、年間数十万匹という犬猫が殺処分されている現実は意外にも知られていません。動物虐待の実態、保護された捨て犬の行く末、殺処分の方法…。あえて目をそむけてきたのかもしれませんが、日本は先進国の中にあって少し鈍感だと言われています。私も鈍感な日本人の一人なのですが、この事実を知った時は大きな衝撃を受けたことを覚えています。
それは突然、テレビから私の目に飛び込んできました。保護された犬の殺処分までの数日間の記録でした。殺処分されるまでの期間は最大で7日間。次第に迫るその日を犬達は察知し、死の恐怖から逃れるように鳴く犬、あきらめたような絶望の目……。そして7日目、ガス室に閉じ込められ死へのスイッチが押されるのです。その数は年間でおよそ30万とも40万とも言われています。

しかしその一方で、消えかかった小さな命にたくさんの奇跡がおとずれていることも事実です。死の寸前で助け出された犬たちが、今私の目の前で元気に駆け回っています。一緒に遊ぶ子供たちは優しい目で笑っています。この優しい時間は助け出された小さな命が起こした奇跡なのではないでしょうか。
今回ご紹介する「サークル・マム」は、飼い主に見捨てられ、つらい経験から心や身体に傷を負った犬たちを保護し、新しい飼い主探しをする動物保護団体です。さらに心の傷が癒えない犬、病気や高齢で譲渡不可能な犬たちに関しては終生世話をする活動にも力を入れています。代表の板鼻鈴子さん、副代表の西泉さん、ウェブ担当の堀内さん、事務局、そして数十名からなる「預かりボランティア」さんの献身的な活動は、命あるものの尊さを多くの人に問いかけています。

板鼻さんのご自宅には、現在約30匹の犬たちが身を寄せます。なかには人間不信に陥り、威嚇したり逃げたりして人間を拒否し続ける犬、人の気配があると押入れから出て来られない犬がいるそうです。繁殖のために飼われていた犬たちは、精子を無理やり絞り出されたり、たたくなどの虐待を受けてきたことで、人間の手を怖がります。商品にならないという理由で食事も与えられず劣悪な飼育環境で生きた犬は重い病気で苦しむことになります。このような状況に置かれた犬たちは、さんざん辛い思いをしてきた挙句、新しい飼い主も見つからず殺処分の対象になっていくのです。
どんな人生なのか……

現在浜松市の保健所に収容される犬たちの約9割は、飼い主への返還または多数の動物保護団体により、その尊い命が助け出されています。サークル・マムさんだけでも「命をつなげた犬」は、今年はすでに100匹を超えています。これは全国的にみてもかなりの救出率だと思われます。しかしながら多くの命が消えていくことも事実です。保健所に収容された犬たちの保護期間はわずか1週間。飼い主が直接保健所に持ち込んだ場合は、即日殺処分されてしまいます。「保健所に連れて行けば安楽死させてもらえると思ったら大間違いです。殺処分の場合は炭酸ガスによる窒息死。10分以上ももがき苦しみながら死んでいくんです。」悲しい目でそう話してくれました。
日本は、ペットと共に生きていくための社会的な仕組みが遅れています。ドイツでは犬猫の殺処分数がゼロだという話を聞いたことがあります。殺処分施設はなく、そのかわりに新しい飼い主を探すための「動物の家」というシェルターが多数存在します。これはまさしく「命をつなぐ施設」なのです。

飼い主のモラルと覚悟、動物の気持ち、命の重さ、無償の愛…多くのことを感じた取材でした。最後に西泉さんから犬たちに向けた愛情あふれる言葉をご紹介します。「私たちは、保護したワンコの体の治療はもちろん、心の治療にも力を入れています。心の傷を癒すのには時間がかかりますが、預かりボランティアの方々をはじめ、メンバー一丸となって優しく辛抱強くこの子たちと接しています。それがサークル・マムの強みです。
どんな辛い思いをしてきた子でも、預かり所に来るとみんなニコニコしていますからね。私たちはこういう子たちに『今までよく我慢したね。これから先、君たちにはいいことがいっぱい待っているからね』と声をかけ、一生愛情を注いで飼養できる体制や環境を作っていきたいと考えています」。
サークル・マム
まっすぐ見つめるその潤んだ瞳は、いつもこう言っているように感じます。
考えてみてください。鳥は大空を自由に飛びまわり、鹿や猪は捕獲されても里山に帰って生きるのびることができます。
一方、犬達はどうでしょう?
野生には戻れず、街を単独で歩くだけで違法ですから、即捕獲され殺処分となります。
飼い主に捨てられたりしたら、もうどこにも行く場所はないのです。飼育放棄、それは死刑宣告を意味します。
そんな動物が他にいるでしょうか?
人を愛し、人に愛され、人間社会で共存するしかない命なのです。
今回「サークル・マム」の西泉さんにご協力いただき、サークル・マムの献身的な活動を紹介しながら、犬猫を取り巻く実情をお伝えします。
この事実と、それに目をそむけず活動している人達を知っていただき、一人でも多くの心ある方々が支援の手を差しのべていただけることを祈ります。
「一匹の犬が氷の湖に転落し、レスキュー隊により救助され無事生還!」こんなニュースが全国で美談として放送される一方で、年間数十万匹という犬猫が殺処分されている現実は意外にも知られていません。動物虐待の実態、保護された捨て犬の行く末、殺処分の方法…。あえて目をそむけてきたのかもしれませんが、日本は先進国の中にあって少し鈍感だと言われています。私も鈍感な日本人の一人なのですが、この事実を知った時は大きな衝撃を受けたことを覚えています。
それは突然、テレビから私の目に飛び込んできました。保護された犬の殺処分までの数日間の記録でした。殺処分されるまでの期間は最大で7日間。次第に迫るその日を犬達は察知し、死の恐怖から逃れるように鳴く犬、あきらめたような絶望の目……。そして7日目、ガス室に閉じ込められ死へのスイッチが押されるのです。その数は年間でおよそ30万とも40万とも言われています。
しかしその一方で、消えかかった小さな命にたくさんの奇跡がおとずれていることも事実です。死の寸前で助け出された犬たちが、今私の目の前で元気に駆け回っています。一緒に遊ぶ子供たちは優しい目で笑っています。この優しい時間は助け出された小さな命が起こした奇跡なのではないでしょうか。
今回ご紹介する「サークル・マム」は、飼い主に見捨てられ、つらい経験から心や身体に傷を負った犬たちを保護し、新しい飼い主探しをする動物保護団体です。さらに心の傷が癒えない犬、病気や高齢で譲渡不可能な犬たちに関しては終生世話をする活動にも力を入れています。代表の板鼻鈴子さん、副代表の西泉さん、ウェブ担当の堀内さん、事務局、そして数十名からなる「預かりボランティア」さんの献身的な活動は、命あるものの尊さを多くの人に問いかけています。
板鼻さんのご自宅には、現在約30匹の犬たちが身を寄せます。なかには人間不信に陥り、威嚇したり逃げたりして人間を拒否し続ける犬、人の気配があると押入れから出て来られない犬がいるそうです。繁殖のために飼われていた犬たちは、精子を無理やり絞り出されたり、たたくなどの虐待を受けてきたことで、人間の手を怖がります。商品にならないという理由で食事も与えられず劣悪な飼育環境で生きた犬は重い病気で苦しむことになります。このような状況に置かれた犬たちは、さんざん辛い思いをしてきた挙句、新しい飼い主も見つからず殺処分の対象になっていくのです。 どんな人生なのか……
現在浜松市の保健所に収容される犬たちの約9割は、飼い主への返還または多数の動物保護団体により、その尊い命が助け出されています。サークル・マムさんだけでも「命をつなげた犬」は、今年はすでに100匹を超えています。これは全国的にみてもかなりの救出率だと思われます。しかしながら多くの命が消えていくことも事実です。保健所に収容された犬たちの保護期間はわずか1週間。飼い主が直接保健所に持ち込んだ場合は、即日殺処分されてしまいます。「保健所に連れて行けば安楽死させてもらえると思ったら大間違いです。殺処分の場合は炭酸ガスによる窒息死。10分以上ももがき苦しみながら死んでいくんです。」悲しい目でそう話してくれました。
日本は、ペットと共に生きていくための社会的な仕組みが遅れています。ドイツでは犬猫の殺処分数がゼロだという話を聞いたことがあります。殺処分施設はなく、そのかわりに新しい飼い主を探すための「動物の家」というシェルターが多数存在します。これはまさしく「命をつなぐ施設」なのです。
飼い主のモラルと覚悟、動物の気持ち、命の重さ、無償の愛…多くのことを感じた取材でした。最後に西泉さんから犬たちに向けた愛情あふれる言葉をご紹介します。「私たちは、保護したワンコの体の治療はもちろん、心の治療にも力を入れています。心の傷を癒すのには時間がかかりますが、預かりボランティアの方々をはじめ、メンバー一丸となって優しく辛抱強くこの子たちと接しています。それがサークル・マムの強みです。
どんな辛い思いをしてきた子でも、預かり所に来るとみんなニコニコしていますからね。私たちはこういう子たちに『今までよく我慢したね。これから先、君たちにはいいことがいっぱい待っているからね』と声をかけ、一生愛情を注いで飼養できる体制や環境を作っていきたいと考えています」。